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不機嫌な職場

いまは、会社勤めを辞めているので、職場というものから離れている。親子二人の会社だから、親子が職場ともいえないことはないかもしれないが、一般的な職場とは違う。

そんな立場なのに、職場に興味を持ったのかというと、いま作っているBPMアプリケーションのなかにこの職場というものを意識せざるを得ない要素があるのだ。

そんなわけで、「不機嫌な職場  なぜ社員同士で協力できないのか」(高橋克徳+河合太介+永田稔+渡部幹共著 講談社現代新書)を読む。

つい最近でも、IT業界の某重鎮がこれから就職しようとする学生に向かって「10年間は泥のように働け」といって物議を醸したが、従来型の考え方で職場をみて、それなりの地位を築いた人にとっては、いまの若い人たちが職場で悩んだり、閉じこもってしまうことを理解できないのではないだろうか。

それは、こうした若い人たちが悪いわけでもなくて、社会や企業の環境、あるいは人間関係の変化に対して、職場の構造変化がついていっていなのだ。

そういうことを考えさせられる本だ。

この本では、いま職場で何が起きているのかについて、関わらない、協力しないという態度が増加して、その結果、生産性や創造性の低下、品質問題や不正をもたらしていると言う。

こうした現象を考えるときのフレームワークとして、役割構造/評判情報/インセンティブの3つをあげている。

役割構造では、旧来の日本では、仕事の範囲が「緩さ・曖昧さ」にあったのが、成果主義からくる「仕事の定義」の明確化と「専門性の深化」がおこり、組織の「タコツボ化」をもたらしたことが指摘されている。

人というものは知っている人には協力したいものである。こうした「評判情報」の共有というのも大事なもので、以前は職場旅行だとか飲み会だとかがあったのが、今はこのようなインフォーマルな場がなくなってきている。

一生同じ会社にいることから会社はあてにならないという意識の高まりや、外部労働市場の成熟化により、インセンティブ構造の変化も大きくなっている。今の若い人は「その仕事は私のためになるんですか」と聞いてくる。

役割構造の変化による「タコツボ化」の進行、評判情報の流通機能の低下、インセンティブ構造の変化により、組織内の協力関係の構築・維持が阻害されているのである。

そこで、必要なのは、「集団的なコミュニケーションの促進」だという。

実践例として、グーグル、サイバーエージェント、ヨリタ歯科クリニックを紹介している。

では実際にどういう仕組みにしたり、仕掛けを施すべきなのだろうか。

役割構造に対する工夫では、共通目標・価値観の共有化のために、発言や参加の壁を作らないことや、「特定の人にしかわからない」状況をつくらないことが大事で、誰もが助け合える仕組みが必要である。

評判情報に対するものは、インフォーマル活動の薦めのだが、ポイントは面白いことだそうだ。

インセンティブに対する工夫では、損得勘定ではなく、人間の内発的・根源的「感情」に訴えかけることで、「効力感」というような感情を与え、感謝と認知が重要である。例えば、ネットの世界にあるような。

結局、組織のための個人でも、個人のための組織でもない、個人と組織がともに支え合い、よい影響を与え合う、新たな協力関係を作り出す必要があると結んでいる。

少々長くなったが本の内容を紹介したが、ここのところが非常に興味があるところで、このままだとますますギスギスした職場になってしまうように思える。早く何とかしたいものである。

この本でも紹介されている処方箋もまだ精神論的な部分があるが、実際に効力を発揮させようと思うと、ある種の道具立ても必要になるのではないかと思っている。このあたりについては別のエントリーで書く。
 

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)
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  • 河合 太介 高橋 克徳 永田 稔
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    • 3 共感はしたけれど
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2008年06月07日 18:56に投稿されたエントリーのページです。

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