BPMへの期待は何かを考える前に、いまの仕組みで何が問題なのかということを考えていることにする。こういうときはだいたい使い手側と作り手側の両面から考えることが必要だ。ニーズの問題とシーズの問題である。それぞれにもつ問題点もあるし、相互の関係における問題も存在する。
ここで一番の問題は相互の関係性にあるような気がする。それはこのブログでも何回か取り上げている「情報の非対称性によるインセンティブの歪み」である。ユーザはITのことがよくわかっていない、ベンダーはユーザの業務のことがよくわかっていない、しかし作るのはコンピュータシステムであることからくるものである。
だからできたものの情報はベンダー側に偏ってしまう。いいですかここが非常に重要なところですが、“コンピュータシステム”を作るからこういうことが起きるのです。“動く業務プロセス”を作ってくれればいいのです。そうすれば、この情報の非対称性は解消されるのです。
こうした仕組みを提供してくれるのがBPMなのかもしれないと期待しているのです。喩えは少し無理があるかもしれないが、テレビゲームにある自分で好きなようにチームを作り選手を動かせるサッカーゲームのようなものがほしいのです。決してふざけて言っているわけではなく、おおかたの業務は結局こういうことではないのかと思う。
少々脱線したが、今の問題は事業を預かるマネジメントがその業務プロセスがどんな風にできているかがわかっていないことにある。そんな状態だから、いま何が起こって、これから何が起こりそうなのか、過去に何があったのか、という現在、未来、過去の事業の状況をつかめないでいるから不正や不祥事がおこるのである。
冒頭に設定したユーザおよびベンダーの個別の期待はどうなのだろうか。ユーザの期待は上述の説明で事足りそうだが、問題はベンダーサイドの期待である。ベンダーの最大の関心事が当然こういうことをやって儲かるのかということである。ここが非常に難しいところで、仕組みや仕掛けが革新的であれば、ビジネスモデルや収益モデルも従来とは違ってくるのは言うまでもない。
ここでは人月ビジネスの終焉だとかはあまり叫ばないが、ひとつだけ言っておきたいのは、IT業界ってこういうことが過去にもありましたよね。古くはハードウエア売りで添え物としてのソフトウエアからソフトウエア主体のビジネスへの転換、さらにサービスウやソリューションビジネスへの移行など、その都度対応してきたわけです。ですから、これからもきっとできると思いますがプレーヤーが変わっているかもしれませんね。
