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五輪ばなしその4

女子サッカーの準決勝でアメリカに負けた。まあ、力の差はいかんともしがたかった。

それにしても男子に較べてよくやった。勝てば官軍みたいなところがあるので、あまりはしゃいでもいかんのだが、世界に伍して戦える技術と戦術があったということなのだ。なかなかいいサッカーをやっていた。

その中心にいたのが、澤穂希であることは誰もが認めるだろう。従来のトップ下からボランチに下がってよりクレバーなサッカーができるようになった。そのパサーとしての視野の広さ、ディフェンダーとしてのボール奪取のうまさが彼女を攻守の要として機能させている。

ではそれを生み出しているものはいったいなんなのだろうか。強靭な体格でもなければ、スピードでもない。また、テクニックが格段に優れているわけでもない。ただ、どれもが平均より少しいいといった感じなのである。

ぼくは、それこそが澤の真骨頂のような気がする。どういうことかというと、何もかもが力が抜けていてとても自然なのだ。だから、相手と競ってもふあっとしている。人間って力を入れるのはできるのだが、力を抜くことは存外難しい。澤はそれができる。

風に吹かれる柳のようでもあるが、ぼくはなぜか出前用のオートバイにつけた出前機の岡持ちを思い出している。カーブを曲がったり、発進・停止を繰り返しても中味の丼は何事もないというあれである。クッションで吸収するからぶれないのだ。そういうプレーを彼女がしている。

まあ、いささか飛躍して言っているが、これは何か日本の古武道のようでいいですよね。日本が強くなる、いい選手が輩出されるヒントになるかもしれない。必ずしも体力測定をしていい成績の子がいい選手になるわけではないので、「出前機力」も評価してほしいものだ。
 

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2008年08月19日 19:29に投稿されたエントリーのページです。

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