もう至言である。これを言ったのは、「折りたたみ携帯電話の未来を開いた男 久保田直基」である。「未来創造堂」というテレビ番組(これは時々見る)で登場した。
彼は、スプリングの特性を生かして、凹凸のあるパーツと組み合わせる新たな蝶番を考案したのである。いまや世界のトップメーカもこのスプリング式開閉システムを採用しているという。
確かに、別に特別な仕掛けや複雑な構造になっているわけではない。まさにシンプルで誰でも思いつきそうなものである。しかし、そういうものこそ革新的なのだ。こういうことを“目からうろこ”ともいう。
創造活動におけるこのような視点は非常に大事だといつも思う。どうしても、皆と違うことをするとか、今までにないものを作るというと、いかに違いを付加するかという方向に行ってしまうのではないだろうか。そうしたことはクリエイティブでもなんでもない。そこを勘違いしてはいけない。あくまで、シンプルなものを作ってこそクリエイティブであるといえる。
ところがこのシンプル化は大変難しい。もの作りではなくても、例えば簡単な例でプレゼンテーションでもいいが、言いたいことを1枚で書けと言われるくらい難しいことはない。ぐたぐたいろんなことを並べることはできるが簡潔に言いたいことだけにするのはすごく苦労するのは皆さんも経験あると思います。
ましておや、創造的活動で単純を極めるのは至難の業だが、どうしたらそういうことができるのだろうか。
前提条件として、たえずゼロベースでものが考えられて、ものごとの本質をえぐれる人がなしえることができると思う。壁にぶち当たったときに、“そもそもこれは”と立ち止まれることだ。もちろんそれを実現できる能力がなければいけないが、少なくともそういった態度の上で生み出されるように思える。
そして忘れてはいけないのは、単純なものほど美しいということである。美しいものほど人に愛され、長く残るのである。
システム構築やソフトウエア開発の場合にもここで言っていることが当然当てはまるので、これから一層肝に銘じようと思う。
