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鎌倉という土地・・・極私的年代記

ぼくが生まれたのは鎌倉市常盤というところで、鎌倉市街からいうとだいぶ西のほうに位置する。本来の鎌倉というのは山に囲まれてその中央に鶴岡八幡宮があり、その周辺をいうが、そこへは7つの切通しを通って入ることができる。だから、その切通しの外は今でも市外といった趣である。

しかし、ぼくが生まれたところは、地名からもうかがえるように歴史の香りがただよっている。常盤は源義朝の愛妾であった常盤御前からきているし、隣は梶原といって梶原景時が居を構えたところである。そのほかにも、打越、笛田、手広といった雰囲気のある地名がそろっている。鎌倉にはそういう地名が多い。これは絶対になくしてほしくない。富士見台だとかすみれが丘はやめてくれと思う。

今住んでいるのはその中にある鎌倉山という山の中である。近くにみのもんたが引っ越してくるというところである。

鎌倉に住んでいるというと必ずといっていいほど「いいところにお住まいですね」と言われる。確かに、響きとかイメージからいうととてもいい所のように思える。それはいいところもあり、住みにくいところもある。このあたりの話はまたするとして、生まれた頃のことを書く。

その当時は田舎で家もまばらにあった。だから、こどものころは野山や海川を飛び回ったという記憶しかない。少し変わったことというと、家の前に有料道路があったということである。日本ではじめてと言われた自動車専用道路である。大船から江ノ島に通じる道路で、これがまた傑作な道路である。自動車専用道路であるからには人や自転車は入ってはいないですよね。ところが、人は歩いているは、自転車は走っているはである。

さらに面白いのは、当然料金徴収所があるのだが抜け道いっぱいなのだ。竹でできた踏み切りがあってそこで止まった車を番小屋と呼んでいた小屋の中からおじさんかおばさんが出てきてお金を取るのだ。ぼくらはこの近くが遊び場だから、番小屋のおじさんと運転手がしょっちゅう喧嘩しているのを楽しんだのである。のんびりとした時代だ。

その道路は、もうだいぶ前に市が買い取って公道になった。ところが問題は、もともと自動車専用だから、人が歩くようには出来ていないのだ。ぼくは出かけるときは冗談抜きに命がけである。数年前に近くのおばあさんが車に轢かれてしばらくして死んでしまった。

さて、こどものときに戻ろう。当時は、鎌倉がそんなに歴史的な都市であるという意識はまったくない。だいいいち、こどものころなんて隣町までがどれだけ遠かったか。正月に八幡様(鶴岡八幡宮)に行くこと、藤沢に映画を見に行くことが最大の遠征なのだ。

だから、一度横須賀までサーカスを見に連れていってもらったときは興奮した。いまでもはっきり覚えている。あまりにはしゃぎすぎたので迷子になってしまった。ふざけながら、目の前に来たバスに飛び乗ったら後だれもついてこなかった。ああ、これが迷子だと思った。

これでぼくはサーカスに売られるかわいそうな子になったと思ったのである。ほんとぼくのお袋はよく悪いことをすると、サーカスに売りとばすからねと言ったものだ。

そして、バス会社の詰め所でストーブにあたりながら親を待つ寂しさは子どもの身にとって相当きつかった。しかし、幸いなことに何とそのときの車掌さん(昔は乗合バスに乗っていたのです)が、うちの近所のひとでぼくの親を知っていて親切に対応してくれたのである。ぼくは、サーカスで宙返りをすることなく大きくなることができた。

話はそれた。いや、いっぱい話したいことがあって、あっちいったりこっちいったりすると思うがご容赦を。

話が戻って、鎌倉という土地で生まれたわけであるが、鎌倉で和田というと、多くの人が和田義盛の末裔ですかと言われる。そうですと言いたいのだが、実は和田義盛は北条義時に一家全滅の憂き目にあっているのである。だから、この和田一族は滅びたのであるが、もともと和田義盛にしても三浦市にある和田という土地の出であって三浦一族なのである。

多分そこから来て生き残ったのか、あるいは苗字帯刀を許すといったときにもらった姓かもしれないが、まあどちらでもいいが、鎌倉だから多少のはったりもいいんじゃないのだろうか。またずれてしまった。これから先はまた次回に。
 

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2008年10月12日 09:10に投稿されたエントリーのページです。

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