システムを考えるとき、どういう発想を持ってみるかというと人それぞれで違うように思う。開発の視点から入る人もいれば、運用をまず考えたりすることもある。また、データからやパッケージから見たり、フレームワーク的な見方をする人もいるかもしれない。ところが、ユーザのオペレーションから発想する人はいるようであまりいないように思える。
すなわち、ビジネスプロセスをオペレーションするのにどういう仕組みが必要なのかという観点で見ることである。もしこうした視点で見た場合、システムを眺める景色がずいぶんと違ったものになるような気がする。ただし、ここでいうオペレーションは、個人的なものというより、組織としてのオペレーションを考えるので、業務プロセスの動かし方のことになる。
まず初めにビジネスにおけるこのオペレーションとはどういうことなのだろうか。いつも言っていることなのだが、オペレーションとは、「マスタデータや業務ルール、その他もろもろの情報を参照しながら、意思決定を行い、それをつないでいって最終的な意思決定結果をイベントデータとして生成し、それを登録する」ことである。
これって、化学プロセスでいう「原料を仕込んで、マニュアルや設計図を見ながら、単位操作を加え、最終製品にし、貯蔵する」というのと同じであることがわかると思う。化学プロセスではこれを当たり前にオペレーションと呼んでいる。
さて。このように定義すると、意思決定のための情報収集とその見せ方が重要であることに気がつく。すなわち、そうした関連する情報をどこから取得し、配置するかである。もっと言えば、それ以前に、必要な情報をしかるべきところに格納しているのかという問題がある。
今日では、非常に多くの情報があふれていて、その中から本当に有用な情報を持ってくるかが、質の高い意思決定ができるかどうかを左右する。この“情報のさばき方”のシステム化が大変大事になってきている。
これはいままでにはなかったことである。これまでは、むしろ情報を作ることに注力していたように思える。結果としてのデータを編集・加工することで新たな情報ができるということである。それはそれとして今でももちろん重要なのだが、結果を作るまでに参照する情報の量と質の問題も大きくなってきているように思う。
そのとき、基本としてやられてなければいけないのは、「データ辞書」と「業務ルールブック」がちゃんとあることだと考えている。同じ意味なのに違った名前のデータがあったり、人によってやりかたが違うといったことがないように、辞書とルールブックは必須になってくる。
このあたりの詳細については、次回に書く。
