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私家版業務システム変遷史 ― 1997年

この年は、生産システムの開発に全力を注いでいたが、他にもいろいろな変化が押し寄せてきた。ダウンサイジングという波はすでに言ったが、EUC(End User Computing)という流れもあった。これはPCの性能向上と普及が背景にあるが、IS部門に頼んでもなかなかやってくれないというバッグログ問題も横たわっていた。

ちょっとしたシステムをホストでやるわけにはいかない、さりとてユーザはPCでまともなシステムの組みかたをしらない、といったせめぎあいの兆候がでてきた。そして、どんどんPCが入り込んできて、IS部門がその応対に苦労しだしたのである。何しろ数が多く、様々なユーザがいるわけだから、日々問い合わせやら苦情やらが対応できないくらいになる。

そこで組織したのが、「システム化推進員」である。課とかグループごとにパソコンに詳しい人間を1名それに任命するのだ。その人のところで、まずは一次切り分けをしてもらうことにした。まあ、「パソコンお世話係」といったところである。でもそれでずいぶんと助かった。

このPCの管理コストはばかにならなくて、当時TCO(Total Cost of Ownership)という言葉で語られたように、PCの保有コストという議論がおこり、ガートナーがPC一台あたりのTCOはPC価格の5倍であるというようなことをまことしやかに唱えていた。

一方でこのPC普及とともに、EUC(End User Computing)という流れも起こってきた。その象徴的なものが、Lotus Notesを使った開発である。これは割りと簡単にアプリケーションがつくれるので、エンドユーザ自らが開発できてしまう。

そこで議論が巻き起こったのである。どこまでやらせていいものかである。当時のIS部門は、そんなものはシステムではない、おもちゃみたいなもので企業のシステムはできない、セキュリティはどうなるのだ、運用はどうするのだ、といった消極論で、それに対してPCのスキルをつけたエンドユーザや工場のIS部門は、これまでのバッグログの問題もあったため、積極論であった。

結局、限定的な使い方にし、できるだけIS部門がAccseeやCSシステムを使って開発してあげることにした。それがよかったか悪かったかよくわからないが、いまNotesが普及した会社はその保守とマイグレーションで困っていると聞く。

EUCの問題は、作るのは手軽にできるが、作った人が転勤になったらどうするのかという保守にある。手に負えなくなった資産があふれてくるのである。

ただし、この問題は、いままた出てくるように思う。例えばSaaS型で簡単に業務アプリを取得できるようになってくるとエンドユーザが直に使い出すからである。こういった、これまでと違ったタイプのEUCはどうなるのかという議論があるように思う。

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2009年01月06日 10:04に投稿されたエントリーのページです。

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