こういう題名のテレビ番組があったし、本も出版されているようだが、見ていないのでその内容はわからないが、いまこの「クラウドの衝撃」を考えている。クラウドとは何かなんて定義は重要ではなくて、Amazon、Google、Saleforce.com(そのうちMicroSoftも参戦してきます)がやっていることを見ればいいだけで、それを「クラウド」と言うのだ。
ただし、それぞれがやっているクラウドは一括りにはできなくて三者三様である。AmazonのEC2やA3といったサービスはしケーラビリティとユーティリティ化されたインフラ提供であるし、GoogleはGoogleAppsのようなアプリケーション提供のプラットフォームであり、SalesForceはCRMという業務に特化したアプリケーションサービスであるわけで、競合していないことに驚かされる。
こういうことは言いたくはないが、日本はどうかというと愕然とする。何よりも日本のベンダは横並びであって、差別化も何もあったものではない。どこも同じことをし、よその真似をする。この“どこも同じこと”というのは、守旧的なビジネスでしかないのは必然で、革新的なことはどこにもない。
だから、日本のIT投資の実態調査でも攻めの投資よりも守りの投資が大幅に上回っているのである。ひとと違うことをすることのリスクを恐がって、まわりと同じように保守・運用だけやっていれば何とかなると思っている。もはやそんな時代は終わりを告げていることをクラウドは如実に表わしている。
この時勢でIT投資もままならないことはあるが、それでも世界はすごい勢いで変化している。その象徴がクラウドである。
ではこのインパクトを考えてみよう。前述したように、インフラからアプリケーションサービスまで、“あちら側”で大規模な供給システムが出来上がってきたのである。それも圧倒的な低コストで享受できるようになってきた。セキュリティがどうの、安定性がどうの(EC2は99.95%の稼働率を保証してしまった)と言っている間にそんなものはすぐにクリアしていく。
そうなると、わが国のITエンジニアはどうなってしまうのだろうか。保守・運用の人材が相対的に多いわけだから、かれらの多くが仕事がなくなっていくことを意味しないのだろうか。「クラウドの衝撃」の恐ろしさはここだ。
サッカーでもラグビーでもバックスをやっていたやつがいきなりフォワードやれって言われても,そう簡単に変われるものでもない。だから、急に運用をやっていた人間が明日から開発だと言われてもハイ分かりましたとはいかない。
そして、今の経済環境では、この1億2000万人の島の中だけで細々と食っていくしかないのだろうか。そういう意味では、全体のパイも縮小するわけで、なおかつビジネスドメインも変えていかなくてはいけないとなると大変なことである。さてどうするのだ。
だからといって、AmazonやGoogleと同じようなことは絶対できないし、なおかつ彼らを無視するわけにはいかないのだから、彼らの上で踊るしかないだろう。うまく踊るにはどうしたらいいのかそれを考えて行くことが進むべき道であろう。
