なぜか不思議な映画だ。近頃めっきり涙もろくなったこともあり、映画の最初の方から涙がでてくる。ところである。なかなか感動的で涙を流すのだが、インパクトのある映画かというとそうではないのである。そんな映画が、山田洋次監督作品「母べえ」である。要するに“きれいごと”の映画なのである。
主演の吉永小百合にしても実に“清く正しく美しい”女性を演じている。山田監督ももちろん“正しい”映画を撮っている。そこなのだ。“正しい”映画がいいとは限らない。
映画は昭和初期の治安維持法で検挙された夫の留守を子供二人とともに守っていく物語である。こういう設定だと、ぼくらの感覚では、すさまじいことになると思う。生活は困窮するし、世間の目は冷酷だし、そんな艱難辛苦を乗り越えて必死に生きる姿が思い浮かぶのだが、実に“きれい”なのだ。
もちろん吉永小百合は昭和初期の主婦ともおもえないきれいさだし、子供たちの着ている洋服がまたきれいだ。さらに、家がきれいだ。ぼくは戦後生まれだが、ぼくらのこどものときよりずっといい暮らしをしている。
だから、涙を流すにしても何か現代の家族愛物語に感動しているような錯覚に陥るのだ。
生身の人間というのは、どろどろとした存在であり、清濁合わせ持つものであると思う。そうした複雑さによってバランスをくずしたりすところに面白さもあるわけで、映画はそんな人間を描いてきたように思う。そういう意味で、成金おじさんとして笑福亭鶴瓶を登場させているのかもしれないが、これがまたなぜ登場したかがよくわからない。
少ししつこいかもしれないが、“きれいごと”過ぎるのも考えものである。
ところで、吉永小百合が溺れた浅野忠信を助けるシーンがすごい。思い切り走りだして、海に飛びこんで泳ぎ出すのだ。実際には吹き替えだと思うが、現実に吉永小百合はいまでもプールで泳いでいて水泳が得意だから本当かと思ってしまった。(余談)
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母の愛情を思い出させてくれる映画です。
山田監督が伝えたかったことっていったい・・・・・・・・・?
フィクションです
父べえ、母べえ、鶴べえ
実年齢がなあ…

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