さて、次は「ビジネスと業務の構造化」についてです。
業務プロセスを考える場合、企業はそれぞれの事業を行なうためにどんな会社構造になっているのか、事業遂行のプロセスはどんなものがあるのか、そのプロセスにはどんな機能を持たせているのかといったことを探っていくことが必要です。
業務プロセスには必ず目的があります。ときたま、目的が不明あるいはプロセスの終点がない場合があったりします。事業遂行上必要だからこそ目的が存在するわけですから、その必要性をみるためにもこうしたアプローチが大切なのです。
私は長いこと製造系の会社にいましたので、どうしてもサプライチェーン中心に見てしまいます。しかし、非製造業でも実体がないサービスのようなものでも基本的には同じだと考えています。
よく、業種・業態に分けてその事業プロセスの違いを言う人がいますが、少なくとも業務プロセスレベルの話をするときはそれほど重要ではないのではないでしょうか。
例えば、生産財の製造だと、受注-生産計画-生産-出荷というのがコアプロセスになりますが、サービス業だと、契約-設定(工事/担保)-サービス-検収となります。もちろんそこには“差”がありますが、これは、採るべき業務機能の種類と数が違うだけで、このレベルであれば、他の消費財製造業、建設業、卸売業、小売業なども同じようにコアプロセス描いて、共通化してしまえば、その中のどのプロセスを経るのかだけになります。
その、最大コアプロセスチェーンは、販売計画-生産・調整計画-見積-契約-前発注-仕入・調達・手配計画-仕入・調達・手配-生産・建設・サービス提供-後発注-引当-販売・出荷-検収となります。それぞれの業種でどこのプロセスを通って、どこのプロセスをスキップするのかになります。
また、非コアのプロセスでは、例えば、代金回収、資材購買、人材調達、設備保全などは、基本的にはどの業種・業態でもやることはあまり変わりません。ですから、このレベルでは各業種とも共通的な見方でよいと思います。さらに下位レベルに分解したときにどうなるかです。
一方、最下層の業務プロセス、というよりアクションというほうがいいでしょうが、そのレベルになるとまた同様に業種も関係ないようになります。例えば、入力するとか、帳票を出力するとか、承認するようなことは同じだとわかります。
従って、これから上からの分解と下からの展開を行なっていった場合どうなるのかを見ていくことになります。
順序が逆になりましたが、もう少し高い位置で会社の構造をながめると、コアプロセスは前述したようなサプライチェーンとのプロセスが中心ですが、それだけではなく、大きな括りとしてPDCAサイクルがあります。
文字通りPlanである企画・計画、事業実行であるDo、これがサプライチェーンです。そして、Checkとしての管理・統制、具体的には財務会計や監査で、Actionとして、また最初の企画・計画に戻ってきます。
非コアプロセスはサポートプロセスと呼んでもいいのですが、大きく意思決定サポート、サプライチェーンサポート、定型業務サポートの3つあると考えています。
意思決定サポートというのは、法務・税務、資金調達、人材情報、管理会計などのプロフェッショナルサービスのことです。サプライチェーンサポートは、環境・品質・設備・物流などの管理です。最後の定型業務サポートは、一般会計、給与計算、汎用購買、従業員サービス、それと情報処理サービスもこれに当たります。
こうして、会社の業務を構造化していくと、それぞれの役割や機能とその重要性がだいたい見えてきて、それを実行させるためのプロセスもどうあるべきかも分かってきます。このように全体感をつかんで、そこから「構造化」のところでも述べたように各構成要素に分解していく作業が必要になります。
これはトップダウンアプローチではありますが、戦略の落とし込みのような意味ではなく、全体を分解していくという感じになります。そのとき、非常に参考になるのが、というかそれを利用すればいいと思うのですが、デファクトになっているようなリファレンスモデルです。例えばSCOR(supply-chain operations reference-model)やAPQC(米国生産性品質センター Aremican Productivity and Quality Center)のプロセス分類フレームワークなどです。
