« 小飼弾の「仕組み」進化論 | メイン | プロセス志向のデータベース設計 »

第2回BPP研究会

昨日は2回目の「BPP研究会」を行なう。テーマが「ビジネスと業務の構造化」で、企業における業務の構造を考え、それを構成する要素に分解してみようということです。要素分解するには、ただやみくもにばらすのではなく意味ある粒度にする必要があります。そのあたりの議論をした。

まずは、企業の構造として、サプライチェーンを中心としたコアプロセスと、その周辺として、意思決定サポート、サプライチェーンサポート、定型業務サポートがるという話をする。そして、そうした構造の業務から、業務プロセスや業務機能を抽出するにはといった議論を行なう。

そのとき寄り道としておもしろかったのは、業務プロセスに差別化要素あるいは競争優位の源があるのかどうかという問題である。

ぼくは、以前から業務プロセスそれ自体にはそうした差別化するものはなく、もっと別なところにあるのではと思っていたが、いろいろな意見がでる。

そのなかで、ぼくはプロセスというか業務のフローそのもののことを言っていたが、プロセスにはそのパフォーマンスで違いがでてくるので、やはりプロセスも差別化できるのではないかという話がでた。

ここはけっこう重要なところで、というのは今までのシステム化というのはシステムを作って終わりみたいなところがあるので、それをうまく使いこなして効果を上げたということが少ないため、単にITを入れただけで競争優位性を埋め込んでいないのだ。

だから、BPMという考え方は、このシステムを作っただけでなく、それを効果的にオペレーションすることで差をつける意味が大きいのである。そういうことを議論できることがうれしかった。

そして、その時の効果を測定するメジャメントをどうするのかという議論に続いていく。プロセスの何をモニタリングしてその結果として、どう改善につなげていくかが非常に大事なことなのである。

このパフォーマンスについても、個別局面での効果判定と全体プロセスの効果判定の両方がある。個別最適が決して全体最適につながらないケースも当然でてくるので、そのあたりの評価基準も必要になってくる。

ぼくは、プロセスは意思決定の連鎖であると規定しているので、ただ昨日言われたがプロセス全体も“意思決定”でもあるのだが、そこでモニタリングするのは、「意思決定の質とスピード」だと思っている。

ここでは、スピードはわかると思うが、では質って何よとなる。質とは手戻り率(差し戻し率)や顧客応答時間みたいなもになると思っている。

そして、この質とスピードはトレードオフでもあって、早く処理したいがためにいい加減な意思決定をして、全体としてパフォーマンスがあがらないことにもなりかねない。その両方をバランスさせることが重要なのである。

ちょっと長くなったが、この話はプロセスパターンとはちょっと違うのでテーマに入れてなかったが、別の機会でもいいから議論した方がいいかもしれない。

さて、業務プロセスを抽出して、それをフロー化するとき、そのアクティビティの粒度をどう決めていくかが、主テーマであって、それに対して、ぼくのほうから「マクロとミクロの2段ワークフロー」という考え方を提示した。

すなわち、マクロワークフローのところの粒度は定型的でシーケンシャルに並べられる。その時の箱すなわちアクティビティは“単位意思決定”であるとした。

その単位意思決定をするのがミクロワークフローで、それは非定型なのもので、それを行なう場は、3種類あって、情報共有の場、一般的なワークフロー、そして画面や帳票であるという提案をした。

それぞれについてケースバイケースでどう使い分けるのかといった論議は次回にするが、こうして2段に分けることによって分かりやすくなると思うのだが、まだまだ議論の余地がありそうで大いに意見交換をしていきたい。

そして、議論で考えさせられたのは、2段にできるのは定型的なルーティン業務なのではないかということで、それ以外にプロジェクト的に動く業務や定型とプロジェクトの中間のような業務があるが、そうしたものへの適用をどうするのかという意見もあった。ここら辺も次回に議論しようと思う。

要するに、業務プロセス・機能の持つ“性格”が違うのである。性格の違うものを一緒くたにしないことで、アプリケーション的にもプラットフォーム的にも分けて考える必要があると考えている。来月のテーマはここですので、みんなでよーく考えましょう。
 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kamawada.com/~masanori/blog/mt/mt-tb.cgi/972

コメント (2)

松井保憲:

初めて投稿します。
和田さんの意思決定に関してです。いつもブログを読ませていただいており、特にこぼBPPに関して小生にとって大いなる興味を持っています。特に意思決定プロセスについて、和田さんのご提案
ミクロワークフローにおける意思決定として①情報共有の場、②一般的なワークフロー、③そして画面や帳票であるというご提案ですが、②及び③
についてはある意味で定型的な業務ルールの下での意思決定と考えております。しかし問題は①の情報共有に関する部分です。情報共有はご存じのように昔から情報の蓄積の器としていろいろ試行されて実現していますが、最大のネックである情報提供の考え方やその情報の内容の質に依存することと、必要な情報が簡単に引き出せる仕組みができていないことに未だにいい方法が見つからないと思っています。ただ、この情報の蓄積部分に何らかのサポートツール、たとえばルールのあてゃめによる方法とか、文書の構造化を自動的に実行してくれるとかができれば、それを業務の中で引き出すルールを仕組むことで何らかの解決策になるのではないかと思うのですが、まだまだアイデア段階ですがコメントさせていただきました。

mark-wada:

松井さん、コメントありがとうございます。
そうなんですね、定型化された業務ルールであれば従来型の仕掛けでいいのでしょうが、往々にして業務ルールというものは、定型化されていなくて、属人的であったり、ケースバイケースであったり、それよりも何よりも変化するものであると思っています。
そして、情報共有の場というのはそうした”動的な業務ルール”を反映できる場でもあると考えています。そういう意味で私は情報共有の場がこれから重要になっていくと思っています。そのためにも松井さんがおっしゃっている有用な情報の取得や業務への反映の仕組みが必要で、私もいま模索中です。例えば、Amazonのレコメンデーション機能とか、アイディアはあるのでまた議論しましょう。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2009年04月08日 14:38に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「小飼弾の「仕組み」進化論」です。

次の投稿は「プロセス志向のデータベース設計」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type