これまでかなりはしょって書いてきたので分かりづらいところがあったかと思いますが、一応2003年度をもってこの「私家版業務システム変遷史」を終わります。
実はこのあとSAP導入プロジェクトがスタートすることになったのですが、それについてはまだ生々しいことと途中で会社を辞めたこともあり、書くことができないということです。
いまこうして5年前までを追いかけてみたわけですが、5年前と今とどう変わっているのだろうかと考えている。最後に書いたように情報インフラは劇的に変化しているように感じられます。そのほか、運用やアプリケーションプラットフォーム、開発技術なども新しい技術やサービスがどんどん出てきているように思います。
しかし、業務システムそのものは構造的にもコンセプト的にもほとんど変わっていないとうのが偽らざる思いです。
ところが、最近あるところでオラクルとSAPの今後の戦略のようなことを聞く機会があったのですが、この2社以外にもIBMやマイクロソフトを含めて、彼ら外資系ベンダーの変貌ぶりに驚かされています。おそらく、業務システム構築という領域でのパラダイムシフトが早晩やってくるように思えます。
それに伴うビジネスモデルも違ったものになっていきます。単なるソフトウエアライセンスビジネスは縮小均衡に入っていき、さりとてシステム開発費用もソフト・ハードの低価格化によりどんどん下がっていく中で、どこに収益源を求めるかが最大の課題になってくるのではないでしょうか。
それに比べて国産ベンダーやわが国の対応はどうなっているのでしょうか。少なくともぼく耳には敏感に反応しているという声は入ってきていません。だいじょうぶでしょうか、少なからず心配になってしまいます。(ぼくが心配するようなことではないか)
パラダイムシフトのキーワードは「プロセス指向」「SOA指向」です。こうしたことが簡単に実現できるプラットフォームや、そこで使うサービスが提供されてきます。このシリーズでも出てきた、柔軟でアダプティブ構造化が進み、業務アプリケーションやサービスの「作る・買う・つなぐ・借りる」が容易になってきたわけです。
ですから、こうした動きに対してますます重要性を帯びることはいったいなんだと思いますか。確かにサービスやテンプレートはリポジトリー化され、好きなようにひっぱり出せるようにはなるのですが、ではどんなサービスを選択するのかはどうして決めるのでしょうか。
それには、自社の事業を適正にプロセス化することがもっとも重要なことになります。そこではじめて要求されるサービス機能を的確に選択できるわけです。まずは自分たちのプロセスありきです。これはいくらいいプラットフォームがあっても提供してはくれません。
従って、これからの業務システム構築の主戦場は業務プロセス設計と業務ルール管理になってきます。そんな予感がします。
