坂本順治監督、江口洋介主演の「闇の子供たち」を観る。生体心臓移植とか幼児買春など、かなり衝撃的な題材である。この映画を観た晩に変な夢を見た。それだけ印象的であったが、一方で裏切られた感じであと味が悪い。
物語は、バンコク駐在の新聞記者である江口洋介が日本から心臓移植手術を受けに来ることを聞くが、その心臓の提供者は幼い子供でしかも生体移植だという情報を掴む。認められているのは脳死状態での移植なのだが、闇では生きたまま摘出するのだという。それをあばこうとして、現地のNGOなども絡んで展開する。
結局、何が裏切られたかというと、この生体心臓移植は事実と反するということなのだそうだ。こんなことはありえない話なのだという。
たしかに、映画は、フィクションとノンフィクションの狭間でもあるし、混合でもある。あの「実録連合赤軍」でも、実録と言っておきながら、“この映画には一部フィクションが含まれています”というキャプションが出る。
ただ、問題はフィクションが誰かをあるいは何かを傷つけるかどうかが判断の別れ目になるような気がする。「連合赤軍」のように映画の流れとしてウソをついてもおかしくなかったらいいが、ウソは事実を曲げることだから、そのウソで誤った理解だとか、感じ方をゆがめてはなんにもならない。
この「闇の子供たち」はその過ちを犯してしまったようだ。タイのひとたちを侮辱したことになる。映画だから許されるというものでもないと思う。だから、気分が悪いのだ。そんなものを観たので夢見が悪かったのだ。
じゃあ、心臓移植のところは外して、幼児買春や人身売買のところだけにすればよかったのではというかもしれないが、それだとタイのひとからみれば「大きなお世話」と言われる。だから、この映画は、日本から心臓移植にくるという設定が不可欠なのであって、それがウソと来ては映画が破綻しているのである。
意欲的に取り組んだのはわかるが、江口洋介の最後のところでも何か無理しているところもあり、宮崎あおいが現地NGOで働くというのも違和感があり、どうも空回りしたというのが率直な感想である。
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ラストが素晴らしい
普通の暮らしがいかに幸せか。
あくまで「タイの児童買春を啓発する」映画
欲望の負連鎖
期待が大きすぎました。

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