ジプシーという言葉には一種独特の響きがある。そして彼らについて知らないことばかりである。
もう20年も前にドイツのフランクフルトの中央駅で一瞬子供たちに囲まれて財布を盗られそうになった。そのとき、現地の人に、あの子らはジプシーだから気をつけなくてはいけない。あいつらは盗みで食っているんだと吐くように言われた。
また、彼らの血液型はみなB型(実は40%弱だそうだが)でだから定住できなくて、放浪しているんだとまことしやかに教えられたりした。
それくらいの知識で映画「ジプシー・キャラバン」を観る。この映画は、ジプシー(今はイメージが悪いのでロマというらしい。それさえも今回初めて知った。)が生んだ5つのバンドが6週間で北米を回ったツアーをドキュメンタリーとして描いたものである。
途中ジョニー・デップがいきなり出てきて驚いたが、「耳に残るは君の歌声」という映画で、ここに出ているタラフ・ドゥ・ハイドゥークスと共演したからだという。
それ以外は、コンサートの様子や移動のバスの中やホテル、そして彼ら故郷の家族のことなどが映し出される。
この5つのバンドがそれぞれ国も違うし、言葉も違う、当然繰り出す音楽も違う。しかし、同じ民族であるから、そのルーツのようなものは一緒だから、その音楽も根底でつながっている。
もう、原初的な響きと悲しみを包み込む楽しげな音に圧倒される。そして彼らの口から語られる迫害の歴史、貧困の嘆き、しかしひとたび楽器をとると、唄い出すとすごい迫力である。
そのあたりをドキュメンタリータッチの映像があますところ伝えてくれて見ごたえのある映画であった。ぼくは観終わったあと、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のあのキューバの老人たちの音楽を思い出していた。
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観る回数が増えるたび好きになる音楽映画

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