この挑戦的なタイトルに惹かれて読んだ。「ウェブはバカと暇人のもの」(中川淳一郎著 光文社新書)は、インターネット上のニュースサイトの編集者である著者が、ネットの幻想はもう終わったと宣言し、題名のとおり、バカか普通の人で暇をもてあましている人たちのものでしかないと言っている。
おりしも梅田望夫のインタビュー記事が話題になっていて、以前Twitterで、「はてな取締役であるという立場を離れて言う。はてぶのコメントには、バカなものが本当に多すぎる」といってしまってブーイングを受けたことなどに言及していて、この本でも梅田さんは「頭のよい人」にまつわる話であって、「普通の人」「バカ」について書くのだと言っている。
要するに、ネットの世界はそんないいことばかりではなくて、気持ち悪い世界なのである。そして、テレビを越えるとか喧伝されてきたけど、やっぱりメジャーはテレビで、たとえば芸能界の大御所はブログなんて書かないし、有名になりたかったらテレビに出るのが一番である。さらにネットはいつもテレビネタが満載なのであるというような話である。
確かに、Web2.0がもてはやされたころには、ネットの未来は明るいと誰でも思ったが、双方向コミュニケーションといったって、頭にくるコメントで埋め尽くされたり、誰でも情報発信できると言ったって、どこのラーメンがうまいとか、うちの猫がかわいいと言われても何もおもしろくない。
そして、みなが同じようにググルわけだから、同じ情報をもち、モツ煮のうまい居酒屋は決まっていて、そこで誰かがブログに書いたとおりのメニューを頼んで、いい店発見と書く。
著者は気持ち悪いと書いていたが、僕は気分が悪くなると言うほうが当たっている。だいぶ前になるが、IT関連の大きな情報サイトであるテーマで会議室を開いたことがある。専門のサイトを作ってと考えたが手っ取り早いのでもともと備わっていた機能を使ったのだ。
ところが、最初にうちはよかったのだが、だんだんアクセス数が増えてなんと一日6000くらいまでいったのだが、そうなると多種多様な意見が書き込まれてきて、収拾がつかなくなる。なかには、最初からけんか腰みたいな人もいたり、売名行為か金儲けでやっているんだろうなんていうコメントがあったりして、とても不愉快になったりする。
本当は、出した意見をきちんと理解しそれで反論なり意見を言うというのが筋だろうが、そうした真の双方向コミュニケーションなんて無理だと知って、途中でやめてしまった。まさしく、厭な気持ちになって気分が悪いのだ。
ただ、ぼくはこうして毎日ブログを更新しているが、そういう範囲ではネットに過度に期待もしていないし、失望もしていない。
この本で少し注文があって、確かにネットはバカと暇人のものかもしれないが、頭のよいひとも徐々に入ってくるような気がする。ネットはうるさいということを前提として、そうした雑音をスルーする術を知った人たちが増えてくると思う。
それと、今は企業もネットに幻滅させられたと思うが、よくその失敗を精査するとともに、その技術と精神を不特定多数の「バカ」と「普通の人」を相手にしなくてもすむ企業内の仕組に組み入れることがこれから求められてくるようにぼくは思う。
こうした本を読んで、一度ネットのもつ理想と現実、光と影、陰と陽を見直してみるのもいいことだ。
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編集者特有の…
=「現実社会の人々はほぼバカと暇人」という結論
ネットやブログを利用しても、いまいち人生が盛り上がらない人に
やはりヒマでバカなのかも
タイトルは過激だがウソではない

