今比較的簡単にシステム化とかIT化という言葉を使っていますが、いったい何をもってシステム化だとかIT化というのだろうか。パソコンを使って仕事をしたら、あるいはEXCELとメールで仕事したら、システム化したことになるのだろうか。
このシステムという言葉もなんとも広く使われているが、村上春樹の言うシステムとIT関連で使っているシステムではずいぶんと違うように思う。ここでは、業務システムという場合のシステムを考えることにする。
最初に言ったように、ITを導入することが、システム化したことになると安易に言ってはいけないように思う。業務システムは、別にITがなくても昔からあったわけで、それは仕事の仕組みだとか流れ、また組織そのものがシステムであると言える。
そう見ていくと、システムにはちゃんとした定義があるのでしょうが、ぼくは「情報の受け渡しの仕組みと仕掛け」のことと定義したい。そうなるとITは必要条件ではないのであって、その仕組みと仕掛けをより効率的なものにしたいという要請に応えるものとしてITがあるという位置づけなのです。ですから、ITを入れることがシステム化することであるという考え方は本末転倒になるでしょう。
そうなると、これまでのIT化システムは“情報の受け渡しの仕組みと仕掛け”ができているのかとみると、どうも不十分なような気がします。さらに今はこれに“見える化”という側面も強調されていて、それについてもできていないのである。
まずは、この情報の受け渡し(仕掛けと見える化はちょっと置いといて)をどうやるかが問題で、これは機械同士で行うだけでなく、当然、機械と人間、人間と人間の間でも情報の受け渡しがあるわけです。そこをITでやらなければシステム化できないというのが間違いではないでしょうか。人間同士でやってもかまわないのである。
問題なのは、そこで情報の流れが途絶えてしまったり、隠れてしまうことである。すなわち、IT同士でもあるいは人間同士でも、はたまたITと人間間でもいいのですが、情報が途切れずスムーズに流れることが肝要なのである。
現実には、企業規模や業態によって、様々な組み合わせがあるわけで、ITがあまり入り込んでなくても、システム化されている企業はあるはずである。従来のシステム化はITでやれるところしか対象にしていないので、下手するとそれまでうまくいっていたコミュニケーションを阻害してしまうケースもあるような気がする。ITを導入することがシステム化であるという発想に立つとそうなってしまうのである。
ですから、システム化ということを原点に立ち返りもう一度考え直してみると、これからは人間もITも混在することを前提としたコラボレーションの場を用意しなくてはいけないのと思うのである。
