ぼくの行きつけの銀座「M」で時々顔をあわせる浜田文人さんの「公安捜査」(ハルキ文庫)を読む。以前このブログでも取り上げた「捌き屋-企業交渉人・鶴谷康」(幻冬舎文庫)に続いてである。
この作品では、公安警察と刑事警察の両方の刑事がでてきて、殺人事件をきっかけに物語が展開する。公安のほうは北朝鮮への地下組織による送金問題である。こうした問題を題材にすることだけでもワクワクする。
ぼくらは、公安と刑事が中が悪くて、お互い勝手に行動し、時として反目することもあると聞いてもピントこない。だいいち公安の顔が全然見えないから不気味でもある。
そんな、2つの組織の人間の動きを並行的に描きながら、最後は一つ点になって収束していくというストーリー展開はなかなか面白かった。
ところでかなり唐突なのだが、この本の流れを見ていくとなんだか麻雀を見ているように思えてくる。浜田さんは確か相当な雀士だったともうが、最初の配牌ではどういう手になるか分からないが、だんだん手が見得てきて、いつの間にか手が揃ってくるが最後は意外な手で和了するという感じなのである。
この徐々に詰まっていくところが面白くつい引き込まれていく。日本の小説で警察小説というものが少ないといわれているが、登場する刑事が読むほどに魅力的になってくると、本格的な警察小説が誕生するかもしれない。
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