久しぶりのサッカー本の「サッカーファンタジスタの科学」(浅井武監修 光文社新書)は、残念ながらこれまでのサッカー本の中では一番読みごたえのないものであった。
サッカー・フリークとしては、けなすのも忍びないのだがしかたない。この本の意図はファンタジスタの肉体やプレーを科学的に解き明かそうということだと思うが、しょせん無理なことである。なぜって、ファンタジスタというのは、理屈どおりあるいは、決まりきったことをしないがゆえにそう呼ばれているからだ。
科学的というのは、いろいろなプレーについて、どこがどうだから結果としてこうなるという関係をモデル化できることだから、そうではないプレーをするファンタジスタを解剖できるわけがない。
百歩譲って解明できたとしても、われわれが同じことが出来なくてはおもしろくもない。と思っていたら、本の中身も別にファンタジスタのプレーというより、サッカー選手のフィジカルだとか、キックスピードはどうしたら速くなるのか、とかいった話で、だからタイトルに偽りありということなのである。
そうして読み進めるとほとんどがわかりきったことばかりで、なるほどと感心させられることがない。キックのときの足の動きを高速度カメラで撮った写真を見せられても、あそう動いているんだで終わってしまう。強いキックができる選手の腿の筋肉の断面図を見せられても、だからどうなのと思ってしまう。
書いてあることは、ぼくらがもう半世紀も前に教えてもらったこととそう変わらない。結局、昔の教えの3Bの大切さなのである。すなわち、BallControl、BodyBalance、Brainなのである。これは、いつの時代でも変わらず重要なことなのである。
スポーツ本はそれを読んだからといって、メッシになれないし、イチローにもなれないのだから、変な解説本よりも単純にすごい、おもしろい、楽しいといった本が一番だ。うまくなりたかったら、自分で実際にあこがれのプレーヤーのまねをして、体で覚えるしかない。
まてよ、これはサッカーをやったことのない人たち向けに書いたのだろうか?
- 浅井 武
- 新書 / 光文社
- Amazon 売り上げランキング: 142879
- Amazon おすすめ度の平均:

ストイコビッチのインサイドキックを解析
より自然なフットボール
選手向けの本ではない
ファンタジスタは科学していない気がする
良い内容だけど、タイトルは少し大風呂敷か。

