これは重い映画だ。観終って疲れた。吉村昭の短編を原作とした門井肇監督の「休暇」である。ぼくはこの監督を知らなかったが、非常に地味だが感動的な良い作品に仕上げている。
物語は、新婚旅行のための休暇をとるために、死刑執行のときの支え役を買って出た刑務官が主役である。この刑務官を小林薫が静かな演技で熱演、また死刑執行される死刑囚に西島秀俊が扮して、これまた死刑を迎える人間の葛藤を見事に演じていた。
テーマがやはり重いのだが、それは死刑囚を扱っているからという単純なことではなく、人とのつながりになぜかなじめない男3人の存在に苦しさを覚えるからである。
その3人というのは、刑務官と死刑囚、そして刑務官が結婚した相手の女(大塚寧々も好演)の連れ子の男の子である。絵を描くことでしか自分を表現することができない死刑囚と男の子を重ね合わせてみせる。
その二人と刑務官の交流が最初はぎごちなかったのだが、徐々に溶け合っていく様を映し出すのだが、それは続くはずもなく、やがて死刑執行を迎え、それと入れ替わるように連れ子の男の子と通じ合うようになるのである。
門井監督の丁寧で時間を頻繁に交錯させた演出は、主人公とそのまわりの人間の心の動きを次第に意味のあるつながりへと導いている。刑務官の妻、同僚や上司の刑務官、死刑囚の妹といった人たちのたたずまいも胸に残る。
この死刑執行に立ち会う刑務官ということでは、あの「チョコレート」で演じたビリー・ボブ・ソーントンを思い出した。一緒に死刑執行に立ち会った同じ刑務官だった息子が取り乱してしまい、それを罵ったためにその息子が自殺してしまうといった話が盛り込まれていた。
その時も、生と死をひどく考えさせられた記憶があったが、この「休暇」そんな映画であった。最初に休暇をとるために支え役を買って出たと言ったが、どうもそうではなかったのではないかとぼくは思うのである。
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これもある意味“おくりびと”
淡々と・・・重い
命の重さ

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