あまりホール落語というものに行くことはないのだが、平塚市民センターホールで小三治一門会があるというので近くということと、柳家小里ん師匠も出演するというのででかける。そして入場券を小里ん師匠から手に入れたので、前列のど真ん中の一等席であった。
実は、小里ん師匠は、最初小三治さんのところに弟子入りをしたかったらしい。しかし、まだ弟子をとらないといわれて、五代目小さんの弟子になったといういきさつだそうだ。だから、今でも小三治を師匠と思っていて、一門会で演じるのだろう。
その他、昨日の出演は、〆冶、はん冶、三三、ろべえ、それと奇術の花島世津子。のっけに小三治自らが登場してびっくりする。そして、登場してなんと唄いだしたのである。その歌は、フランク永井の「公園の手品師」である。寡聞にして知らなかったが、小三治師匠が好きな歌だそうで、しかもフランク永井もすごく気に入っている歌である。
そんな形で始まったが、小三治師匠が唄い終わって話はじめたとき、突然携帯の着信音が響く。なななんとぼくのポケットで音がするではないか。マナーモードにしたはずだったが、なぜかそうなっていなくて社長(息子)から電話がきた。恐縮。あわてて切ったが、案の定小三治師匠に絡まれる。
でも、すごいのは全部笑いにもっていく。携帯の音はどうせならみんな鳴らしてしまえ、そのかわり演者の意欲はなえていくという話からはじまって、最近は、新しいホールでは、携帯が通じないようにしていると言ってから、この市民ホールは風も電波も素通りだと落していた。さすがの名人芸である。
あれえ、前置きが長くなった。これを落語では“まくら”という。このまくらが長い落語家の筆頭は小三治でしょう。それだけで高座を終えたこともあるし、以前紹介したように本も上梓してしまうほどだ。
今回も、フランク永井ネタでトリの高座のマクラを演じ、そしてそのゴルフネタから、釣りときて、野ざらしの一席である。もうしっかりと聴衆の心をつかんでいるので、無理に笑わすこともせずに、もうその一挙手に湧いたのであります。
それは、多分一門会の全体のストーリーを頭の中で描いてそれを演劇のようにディレクションしたように思う。寄席と違うのはそこで、一演者としての存在と“落語ショー”をどう見せるかは違うように思うのである。
そういう意味で考えるのは、小里ん師匠のことである。昨日も小三治の前にあがったが、わりと遠慮がちに地味に演じていた。もう少し、おのれを主張してもいいように思えた。他の出演者では、柳家三三(さんざと読む)がいい。小田原生まれの35歳だが、いい味を出していた。
久しぶりのホール落語で笑わせてもらった。しかし、お客さんはみなぼくらの世代ばかりで、だから若い人が知らないフランク永井ネタが受けていたのである。最近は多くなったとはいえ、もっと若い人も落語席に足を運んでもらいたいと思ったのである。
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噺は読んでも面白いんだなあ
二番煎じさえなければ・・・
小三治師匠の魅力
身の丈の「個」の話にこだわる気骨っていうか偏屈が小三治の魅力
また買っちゃいました。

