Terry WinogradのLAP
このLAPと次のEnterprise Ontologyについては、このブログの記事でも書いたように、最近知った理論であって、ですから後付けもいいところです。しかし、これまでやってきたことと同じようなことを理論的に究明していた人がいたことに驚いたのです。
Kailasの発想はITを意識しないなかで業務の実相をそのままシステムに乗せたいところからきています。ですから、人間系の仕組みに注目するわけで、LAPやEnterprise Ontologyで言っている「ひとのつながりにも目配りするビジネスモデリング」と合通ずるのです。
さて、そのLAPですが、LAPとはLanguage/Action Perspectiveのことで、タンフォード大学のWinograd教授が唱えたものです。Winograd教授はもともと人工知能の研究で有名な先生でしたが、Fernardo Floresという人と出会ってから、このLAPにのめりこんだとのこと。
ただし、いまはそこから離れて、Human-Computer Interactionの方に行っているそうです。おそらく、LAPのようなことを研究していくと、ユーザインターフェースに行きつくような気もする。このへんはまた別途考えてみたいと思います。
前置きが長くなったが、所詮にわか勉強なので深いところが分からないが、LAPについては専修大学ネットワーク情報学部小林隆教授が詳しく説明してくれている。その肝のところは、新しい認知科学のアプローチであって、そこでは「認識を人間と環境との適合(カップリング)と考えよう」というところである。外部に適用するために行動することで、そうした行動をすることで認識が高まるというわけである。
そして、人間は言語を通じてカップリングする生き物で、うまく行くと(Happy Path)定型的な会話パターンとなる。ところが、そううまく行くことばかりではなく会話が破綻する(Breakdown)場合もあって、そこでは厳密な単語を使った話合いを行うのだが、そうしたことをできるだけ回避するように会話パターンを設計することが必要になる。
結局、「人間生活の基礎は、行為の調整であり、調整は言語によって行われ、言語は要求と約束にもとづく」ということになる。こうしたことを表現する最も分かりやすい図を下に掲げます。

この図を見ていると、Kailasでいう業務プロセスのパターン化と似ていることがわかると思います。Kailasでは依頼-依頼受付-単位意思決定(データ確定)-作業-報告・登録としていますが、これがHappy Pathで、Breakdownになると、(KailasはBreakdownに限らず)そこは関係者間のコミュニケーション(言語)によってその行為あるいはデータを確定していくことになります。
この考え方の根本は、「“人間を代行するコンピュータ”から“人間の道具としてのコンピュータ”へ方向転換する」ことにあります。」 これもかねてから、人間主体の業務システムを標榜していることにも通じることでもあります。
