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政策論争のデタラメ

以前から、さまざまな議論において論点がずれていたり、論理的な意見より情緒的な意見が優先してしまうといった現象を苦々しく思っていたが、そこを的確に突いた本がある。「政策論争のデタラメ」(市川眞一著 新潮新書)である。

この本でとりあげられている論点は、環境・エネルギー、医療、教育、郵政改革、政治・行政についてである。

その問題提起は、まず、環境・エネルギーでは、いまの日本は温暖化対策に代表されるが、これは外交問題であるのに単なる精神論で対処している。こんな能天気なことを言っているうちに孤立してしまう。だいいち、欲しがりません勝つまではという風に国民に強いる環境対策はいかがなものでしょう。

ちょっと前にも、渋谷の駅で東急バスの人たちが赤い腕章を巻いて何かを配っていて、てっきりストでも打つのかなと思ったら、何と道行くひとにエコバックを配っていたのだ。気持ち悪いと感じたのはぼくだけだろうか。

医療では、医師不足と言われるが、確かに数だけでみればそうかもしれないが、勤務医と開業医のアンバランス、産婦人科、小児科の少なさ、患者のフリーアクセスなどの問題点が浮き彫りになると、本当に医師が不足しているのかは疑問となるという。

教育は、文科省の無策や中教審のいい加減さなどもあるが、何といってもこどものしつけまで学校に求める家庭の問題が大きいようだ。学習指導要領についても達成目標がないという根本的な問題をかかえているのに一向に改められない。

あと、郵政改革や政治・行政についても、深く掘り下げないで議論しているから、不思議な論争になっている面が強いことがわかる。誰かが、きちんと論点を整理して、それについて考えるようにしないとまともな結論にならないのである。

そのために重要なのは事実前提と価値前提を共有することだと思う。すなわち、データに基づいてきちんとした事実認識をすることと、そして、何が重要で、どういう方針に基づいて判断するのかといった基準のようなものが必要なのだ。

このように考えたならば、著者のいうことが至極まっとうであることがわかるし、ちゃんと提言もしていることも、ぼくも同感することばかりである。それができていない、日本の政治やマスコミのレベルの低さを嘆かざるをえない。なかなか面白いので、ぜひ常識を疑うためにも一読を。
  

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2010年03月14日 11:01に投稿されたエントリーのページです。

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