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愛のむきだし

なんと237分、約4時間の映画である。「沈まぬ太陽」が202分だからそれよりも長い。そんな長尺映画「愛のむき出し」を観る。監督が園子温で主演が西島隆弘と満島ひかりである。

4時間の映画のストーリーを説明したら大変なことになるので、超簡単にいうと、父と子の関係性が壊れてしまった子供たちの喪失と再生の物語である。それも父と息子、父と娘の両方ともに当てはめている。

そして、もうひとつのキーワードが「変態」である。変態の父親に痛めつけられた娘、厳格な神父の息子がいきついたのが、自ら変態になることだった。その神父の息子を西島隆弘が演じ、変態のオヤジを持った娘に満島ひかり、そして安藤サクラ扮するこの二人に迫りくる新興宗教の女も父親からひどい目にあうのである。そして、みな父を捨てた。

題名が「むきだしの愛」ではなく「愛のむきだし」で、しかもむきだしという激しい語彙を選んでいるのがおもしろい。だから映画では、まさにきれごとではない、どろどろの深層をさらけ出す。そういうことを追いかけるとどうしても宗教のほうにいくんでしょうね。

主人公の若者が盗撮魔になるなんてふざけているんだけど、狂気や異常を描くことで正常とは何か、深層にあるものをさらけ出すことで何が生まれるかといった問題を提起しているように思う。

こんな世界を出演者たちが熱演している。AAAという人気グループの西島隆弘は本職も顔負けの演技力で、満島ひかりは体当たり演技で迫力満点である。さらに、ぼくがびっくりしたのは、安藤サクラのあの意地悪そうな表情である。また、エロい女を演じたら右に出るものはいない渡辺真起子にこのスケベ女めと叫んでしまう。

ということで、重厚でもなくシリアスでもなく、むしろふざけんなようと言いたいような映画なのだが、深くしみるものがある。そんな作品であった。
  

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2010年06月26日 10:14に投稿されたエントリーのページです。

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