先週、東工大の飯島先生とあと数人の企業の人たちとBPMの先進事例についてディスカッションした。このあたりの話はまた別途するとして、そのとき飯島先生から献本してもらったのが「「CIOのための情報・経営戦略 ITと経営の融合」(根来龍之/経営情報学会編著 中央経済社)である。
帯に書いてあるように“CIOの3つのミッションを構築論<IT>と戦略論<IT>の融合の観点から詳説”したものである。 ここでいうCIOの3つのミッションというのは、「企業あるいは企業グループ全体のIT政策の立案」、「情報活用による経営戦戦略の創造」、「部門横断型のビジネスプロセス改革」である。
何しろ執筆陣が経営情報学会、IT経営協議会のメンバーで豪華である。(もちろん飯島先生も書いている)このメインテーマは「構築論と戦略論を架橋する役割としてのCIO」は何をすべきかであるが、なかなか難しい。日本にはまともなCIOが少ないという現状でそこまできちんとできる人がいるのかと思ってしまうが、それが大きな課題だろう。
ITと経営の融合というのはずっと昔から言われているが、なかなかこれはという解に出会ったことがない。ただ、ここで飯島先生も書いているように「IT経営にプロセス志向は必要なのだ」という考え方が出てきたことは好ましい状況になってきたと思う。経営を(というより事業のほうが現実的かもしれない)表現し、そしてそのパフォーマンスをマネージするにはプロセスを主体で見ざるを得ないからである。
この本の構成が、CIOはどんな役割からということから始まって、データを使ってITと経営の融合の必要性を説き、実践のための競争優位の仕組みや見える化が述べられ、最後に構築のための理論と実際というふうになっている。
そこでぼくがいつも思うのはこうして上流の方でいろいろと理論展開をしているのだが、最後のそれをどんな業務システムで実行するのかが旧態のままのような気がする。この本では最後のところでアーキテクチャやアジャイル開発のことが書かれているのだが、それは基本的にはHow Toの話であって、Whatすなわちどんな構造のものにするかという議論が希薄ではないかと思うのである。
いまの企業情報システム、業務システムはもう何十年も本質的な変化をしていないわけで、そんなレガシーをベースに考えても限界がある。ここのあたりの変革がないとなかなか前に進まないような気がするのです。とはいえ、よくまとまっているので読んでみてください。
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