このブログを書き出したのが、2006年8月からなので4年間書いたことになる。その中でITについての記事がおおよそ3分の1を占める。いまこの間に書いたものを振り返ると現状で問題があることを繰り返し述べていて、それを変えていかなくてはいけないという主張に染まっている。
ということは、いま行われている業務システム開発と呼ばれるものは間違っていると言っているに等しい。いやちゃんとやっているという人もいると思うが、概して問題ありと感じている人の方が多いと思う。そこで、これまで書いてきたものが主で新しい指摘は少ないかもしれないが、「間違いだらけの業務システム開発」と題して、様々な角度から常識を疑う目をもって考えてみたいと思う。
はじめに指摘すべき最も重要かつ基本的な問題は、ビジネスありき、事業ありきというベースが欠如しているということを挙げておきたい。何も考えていないわけでもないだろうから、欠如というと言い過ぎかもしれないので、そういう意識が薄いとでもしておく。
ビジネスありき、事業ありきは当たり前でしょうとみなさん言うと思いますが、ほんとうにできていますかということです。頭の片隅においておくだけじゃ何もならなくて、開発プロジェクトの目的にしても、開発方法論にしても、この考え方を取りこんだものになっているかということである。少なくとも現実のビジネスの実相を反映したものにおちているとは言い難いと思う。
この根本的な立ち位置が間違っている可能性がある。「役に立たない正しいシステム」を作り続けてはいないだろうか。ビジネス上のメリットを生み出しているのだろうか、事業に貢献できているのだろうかが問われなければいけない。先進の技術を使うことで終わっていないだろうか、はやりのクラウドにすればやることはやったと思っていやしないだろうか。
ビジネス上のメリットを生み出す、あるいは事業に貢献するためにはどういう仕組みが必要なのかと考えたとき、最初に浮かぶものはITシステムではないということを肝に銘じなければいけません。極端な例でいえば、起業してすぐのベンチャーで商品がバカ売れしているような場合に、社長一人で全部やれているうちはそれが最良なシステムかもしれないのだ。
ということで、いちばん最初の間違いは、システム化の必要なあるいはシステム化を検討する場合の立ち位置である。ITだけの導入が前提ではなく、その会社の事情(規模や成熟度といってもいいかもしれない)によって、ビジネス上のメリットや事業に貢献できるにはどのようなシステムが必要なのかという思考アプローチが肝要なのに、何でもITシステムを入れればいいのだというスタンスのことである。
次回からは個別の局面における間違いについて考察していきます。
