システム化プロジェクトは開発するもの
前回は、はなからITシステムを入れるということではなく、それぞれの会社の事情や成熟度に応じて、場合によってはITを使わないでシステム化をする方がいいケースもあるというようなことを書いた。ここでは、システム化プロジェクトで開発をしてしまうという間違いについての話です。
こう言うと、怪訝な顔をする人も多いと思います。だれしもが、普通に”システム開発“と言います。しかし、業務アプリケーションのことでいえば、業務の仕組みを開発するのですかとツッコミたくなる。ソフトウエアやツールであれば確かに開発ですが、業務の場合、開発するとはいったいどういうことなのだろうか。
そのまま字句通りに解釈すると、業務の仕組みあるいは業務プロセスをそうしたプロジェクトで開発すなわち新たに作り出すことを意味する。そんなことをシステム化プロジェクトでやるんですか。そもそも何とか管理システムの開発プロジェクトというような言い方がおかしい。いや、今までと違うプロセスや機能を盛り込んでいくからやはり開発でしょうと反論がくる。
しかし、よく考えてみてください。そんなことをITベンダーと一緒にやりますか。ここには二つの感違いがある。一つは、業務プロセスはITプロジェクトとは関係なしにビジネスサイドで開発しておくものであるということです。しかも、どこの会社にも業務プロセスはすでにあって(もちろん手作業でやっていたとしてもプロセスです)、それを事業という観点で変えていくわけです。新しいビジネスモデルの創出ということです。
もうひとつは、IT側で業務の仕組みを“開発”してしまうこともあるということです。これは最新の機能を盛り込んだ営業システムですからそれに変えた方がいいですよとなる。別に現状業務を分析してこうしたほうがいいという結果がでていなくても、カッコよくこれはベストプラクティスですからとか言って変えてしまうのです。
ですから、システム開発ではなくシステム構築の方がなじむように思います。家を建てるときでも、家を開発するとは言わないで建築するというのと同じです。このことは、そんなに厳密なことを言わなくてもいいじゃないか思うひともかなりいるかもしれませんが、思った以上に影響があると言いたいのである。
システム化のプロジェクトに入ったら開発してはいけないのだ。家を建てるのと同じように、ユーザの活動スタイルにあわせて設計されたものをそのとおりに組み上げるというのが望ましい姿である。へたに開発しようとするから、仕様変更が、そして手戻りがおきるのである。
