ウディ・アレンは最近マッチポイントとかタロットカード殺人事件などニューヨークではなくヨーロッパを舞台に作品を作っている。その延長なのかどうか知らないが、今度はスペインを舞台に「それでも恋するバルセロナ」を監督している。
この物語は、性格や行動パターンが違うアメリカ人の女の子二人がバルセロナにバカンスに来たところから始まる。一人は、芸術家っぽくて奔放な感じのクリスティーナ、もう一人が既に婚約者がいてまじめタイプのヴィッキーである。
その二人があるパーティで魅力的な画家である男性アントニオにめぐり合う。奔放なクリスティーナが惹かれていくのだが、実は、アントニオには別れた妻がいて、その妻が戻って来てしまい、そこから三角関係が展開される。
このスペイン人の男と女を演じるのが、ハビエル・バルデムとペネロペ・クルスというスペインを代表する俳優なのだが、何というぜいたくな布陣だ。この元夫婦がおかしいというかおもしろい。女がスペイン語でしゃべろうとすると英語でしゃべれと何回も諭すシーンは思わず笑ってしまった。
もっとおもしろかったのは、三角形の関係が成立している時には、うまくいっているのに、それが崩れたとたんに喧嘩ばかりするようになるのだ。男を取りあうのではなく、女同士でも仲良くやるのだ。
この屈折した関係性はウディ・アレンが得意とするところで、さらにこの関係にもう一人の女、ヴィッキーを絡ませるのだ。婚約者がいながら、アントニオとの一夜のアバンチュールが忘れられずに入り込んでくる。
おいおい、これじゃ4角関係、いや5角関係じゃんと突っ込みたくなるが、こうした人間模様がおふざけでもなく、さりとてシリアスでもなく繰り広げられる。そして、おもしろいのは、アメリカとヨーロッパの対比が随所にでていて、それを見ているとアメリカ人は田舎者みたいに思えてくる。アレンはあえてひねくれてみたのでは。
それにしても、74歳になろうというウディ・アレンがその歳を感じさせない演出は見事である。色気とか女好きはいくつになっても変わらないというのが男の性かもしれませんね。ウッディ・アレンらしい作品です。
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