社会的背景

RFIDや「ロギング」などによる個人にとっての「ホン」の変化

RFIDと呼ばれる小さく薄い無線チップにより、あらゆるモノを識別・管理することが近い将来可能になるだろう。とりわけ本に関して言えば、水に濡れることがあまりない、丸めることはあっても折り曲げることはあまりない、単価もそこまで安くはない、という点からRFIDをつけやすい対象であると言える。本にRFIDがつくとはどういうことなのだろうか?それは、RFIDの情報を読み書きするリーダー・ライターがインターネットにつながることによって、本もまたネットワークにのる(厳密に言うと、どこにどんな本があるかという情報がネットワークにのる)、ということを意味する。

次に、最近大ヒットしているカメラ付き携帯電話に目を向けてみる。このカメラ付き携帯を使ってみると人間の日々の生活を切り取ってコンテンツとして扱う「ロギング」の楽しさに気づく。今後カメラなどの入力ディバイスの小型化など技術的な発展により「ロギング」が活発になることは間違いないだろう。

本、もしくはCD、DVDにRFIDが付く。「ロギング」などによるその人の日常を切り取ったコンテンツが増える。また、音楽や映像などのメディアコンテンツ自身がデジタル化して流通することが考えられる。このように、未来の世界では個人が持つコンテンツ(今後わかりやすくするために「ホン」と呼ぶ)の量が増え、さらにホンがネットワークにのることになるだろう。

「ホン」を有効に管理・利用するための「未来の本棚」の必要性

未来の世界では、ホンの量が増えて、ホンがネットワークにのる。このように、個人にとってのホンが変わる。では本棚はどうなるのだろうか?現在、本やCD、DVDなどの物理的なホンは通常本棚に収納され、PCで再生する音楽ファイルや動画ファイルなどのデジタルなホンは通常PC内のマイドキュメントフォルダ(Windowsの場合)に収納されている。未来の世界では、アナログなホンもデジタルなホンも統合的に管理することにより、大量のホンを有効に利用できる本棚が求められると私たちは考える。

ウェブコミュニケーションツールにみる「未来の本棚」の新たな価値

本棚を単なる収納家具と捉えるのではなく、コミュニケーションツールとして捉えてみると未来の本棚の新たな価値が見えてくる。現在の本棚をめぐるコミュニケーションは、本棚を見ることによって相手のことを知れたり、本を貸し借りして興味を広げたりというような楽しさがある。

私たちは未来の本棚を使ったコミュニケーションを考えるにあたって、サーバーという人とはちょっと遠い場所にはあるが多くの情報がネットワークにのっているウェブの世界に目を向けてみた。そこで注目したのが、「関心空間(http://www.kanshin.com/)」、「はてなダイアリー(http://d.hatena.ne.jp/)」、そして「ブログ(blog)」である。この3つに共通して言えるのは、共通の興味を通じて個人のウェブ領域同士(それは知らない人同士の場合もある)がリンクしあうことができる、という点だ。私たちはリンクによって人と人とがつながる喜びを得ることができる。また、リンク先のウェブ領域に行くことによって、興味を深めるたり、新たな興味に出合うことができて非常に面白い。私たちは、このような面白さを未来の本棚に活かせると考える。

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本棚の面白さ ボクダナ つながりのサイクル"TSUNA"